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小山実稚恵「ピアノ・ロマンの旅」心の歌

今年6月に初めて聴いた小山実稚恵「ピアノ・ロマンの旅」→こちらから
今年の秋のシリーズを 聴きに行きました。
前回は 激しく動的な生命力に溢れていました。
今回は 慟のあとに悟った、感じた 安らぎと静がテーマです。
それを 小山さんは 「心の歌」 として 表現されました。

機嫌よくリサイタルへ~~
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演目は、
ベートーベン:ピアノソナタ第30番 OP109
ブラームス:6つの小品 OP118
シューベルト:ピアノソナタ第20番 D.959

大好きなベートーベンピアノソナタ第30番は
幻想的なスタートから 
確固たる強さ 
そして 変化に富む、生命が脈々としたような変奏曲で成っています。
いつ聴いても 涙が溢れます。

ブラームス6つの小品は 生演奏で初めて聴きました。
小山さんの説明によると
これを作曲したブラームスの晩年は
お姉さまを亡くし
クララ・シューマンともぎくしゃくした関係の時期で
内傷的で孤独な彼の心情を感じる作品。

第1曲から 第3曲までが 心に残りました。
微妙な変化 繊細な旋律。
青春時代に戻ったかと思うくらい 胸がシュンって痛みました。
でも それは 若い時の痛みより
確実に 深く 重く 解決できないような痛みで
もう辛くって辛くって 号泣(;_:)

シューベルトの第20番は 
若くして亡くなるシューベルト2ヵ月前の3つのソナタの2番目の作品です。
前年に亡くなったベートーベンへの敬愛が局所に感じられると小山さんが仰ってました。
優しく切ないこの作品には
絶望はなく
最後の生命の煌きへの愛おしさを感じました。

小山実稚恵「ピアノ・ロマンの旅」心の歌_d0131804_17463317.jpg

アンコールは シューベルト即興曲 と シューマン・トロイメライ。
トロイメライで どうしてこんなに泣けるのかしら?!

情緒的な演奏は
何次元にも想像が膨らみ
私を 自分の無意識下の世界に連れて行ってくれます。
秋から冬に聴くのにピッタリな選曲。
まさに 「心の歌」。
繰り返し展開するメロディーは
紅葉から冬へ季節の変化であり
生きざまの変化でした。
虫が食ったあとの葉に美しさを感じるようになった今の私の年齢に 
今回の 「心の歌」が、染み入り同調しました。

小山実稚恵「ピアノ・ロマンの旅」心の歌_d0131804_17470000.jpg

2006年から2017年の12年間・24回リサイタルのこのシリーズも
あと残すところ 来年の2回のみです。
「祈りを込めて」「永遠の時を刻む」
ハンカチーフ3枚持って、泣きに行きます?
聴きに行きます♪
by ray_matsumoto | 2016-11-15 17:21 | Favorite | Comments(0)

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by ray_matsumoto